初心者のための12ステップ講座:ステップ4「紙に書き出す」

※ステップ3については前回の記事を参照してください。

初心者のための12ステップ講座:ステップ3「決心する」

2018年5月20日

恐れずに徹底して、自分自身の棚卸しを行い、それを表に作った。

ステップ4

さて、今までのステップ1~3は、言うなれば情報提示と、このプログラムをやるかどうか決心を問うステップだった。

このステップ4からは、いよいよ「回復のための具体的な行動」を起こしていくことになる。

その内容を簡単に言うならば、
「今までの人生を振り返って、生きづらさや嗜癖(アディクション)を引き起こしていた、自分の有害な行動パターンや思考パターンを紙に書き出してあぶり出す」ということになる。

嗜癖(アディクション):わかりやすい言葉で表すと”のめりこむ””はまる”ということ。もともとは習慣的であった行動が、自分の意志でコントロールできなくなる、ブレーキが利かなくなるという状態。やめたくてもやめられない「有害な習慣」のこと。

自分という人間を知る作業

ステップ3でのことを思い出してみて欲しい。

あなたの長所や特技は、神様が与えくれたものである。
それと同時に、神様は本能も与えてくれた。

しかし、私たちが本能を暴走させたために、恨みや怒り、自己憐憫といった感情に振り回されることになり、神との関係が遮断され、あなたが本来持っている「良い資質」が台無しになっていたのだ。

誤解のないように言っておくと、ステップ4は自分がいかにダメな人間だったか蒸し返して反省するためのものではないし、過去の思い出したくないトラウマをわざわざ掘り起こして「原因探し」や「悪者探し」をするような作業でもない。

ただでさえ病気にかかってボロボロになっているのに、そんなマゾ的な作業は誰もしたくないだろう。

依存症、共依存症という病気にかかったのはあなたのせいではない。この病気は普通の病気と同じで、タイミングや運、遺伝子や生まれ育った環境の要素が複雑に絡み合った病気なのである。

だから、この病気のことや、どう対応していけばいいか、ということを自分でよく知っておかなくてはいけないのだ。

花粉症を例にして考えてみる

例えば、花粉症という病気一つとっても、鼻水の出る人、くしゃみが止まらない人、目がかゆい人、混合型など症状は様々だ。

自分にはどういう症状があるのか分からないことには、医者にも訴えようがないし、薬の種類も分からないし、治す努力のしようがない。

依存症も同じだ。

自分にはどのような生きづらさを引き起こす行動パターン・思考パターンがあって、それが嗜癖(アディクション)に繋がっていたのか?

どの行動パターン・思考パターンを改善すれば、ストレスの溜まりにくい生活を送れるようになるのか?自分が生きやすく生活できるのか?

それを明確にし、知っておく必要があるのだ。

ステップ4の棚卸しは必ず紙に書き出すこと

ステップ4の棚卸しは、必ず紙に書き出して行う必要がある。
ジョー・マキューの「回復のステップ」にもズバリそのことが書かれている。

ビル・W(※AAの創始者)は、私たちに個人の棚卸表を紙に書き出すよう求める。一覧表の作成である。

私たちの人生は込み入ってて、よく調べてみなければならないことがたくさんある。だから紙に書き出すのである。

調べたものを書き出しておかないと、途中で見る必要が出てきたときに思い出すこともできない。

棚卸しとは紙に書き出されたリストのことだと強調しておきたい。心の中で行う棚卸しなどありえない。書き出すことを面倒くさがるなら、それは棚卸しではない。

引用元:回復のステップ

また、紙に書き出すといっても、自己流でやらないほうがいいとされている。
棚卸表には、ちゃんとしたフォーマット(ひな形)があるので、それを使わなければいけないのだ。

ステップ4の棚卸表については、「依存症からの回復研究会」のWebサイト(資料室)にPDFファイルが無料配布されているので、それをダウンロードして印刷して使ってもらったらいい。
または、「回復のステップ」の巻末にも付録として付いている。
今ならAmazonでも購入できる。

私は認知行動療法もやっていたが、このステップ4はかなりそれに近いものだと感じている。

頭の中で混沌としている鬱や不安といった感情も、紙に書き出しアウトプットするだけでかなり思考がまとまり整理できるものである。

トラウマを吐き出せ!「書くこと」と「喋ること」の重要性

2018年2月2日

棚卸表の具体的な書き方

さて、図1を参照して貰いたい。

今回は「恨みの棚卸表」を例にして説明していきたいと思う。

棚卸表には書き方のルールがある。
基本的に縦方向に、一列ずつ書き進めていく、というものだ。

というのも、横方向に書き進めていくと、一行ずつ「恨んだ相手」「恨んだ理由」「傷つけられた本能」をいっぺんに思い出さなければいけないので、ことによっては辛かったことやトラウマを思い出してしまって、途中で辞めてしまう恐れがあるからだ。

だから、とりあえず「恨んだ相手の名前(しきたり、原理でも可)」を書き出すと決めたら、ダーッと縦方向に書き出す。
それが済んだら、「恨んだ理由」を縦方向にダーッと書き出す…。

棚卸表

図1

というような手順を踏んで書き出していく。
このように、棚卸しは機械的に行っても良いとされる。いちいち余計なことまで思い出して辛い思いをすることはない。

次に「どの本能が傷つけられたのか?」、ひとつずつ当てはまっている物に〇をつけていく。
本能についての説明は、前回の「ステップ3」の記事に詳しく書いているので、参照してもらえたらと思う。

こうして棚卸表を眺めてみると、多くの場合、私たちが何か言ったり行ったりしたから、相手が反応し、それに対して私たちが恨みを抱いたのだという事実が分かる。

ビッグブックは、私たちが自分の利己的な意志にもとづいて相手に打撃を与えたのだから、仕返しされたのだと述べている(アルコホーリクス・アノニマス P89ページ)。

そして、最後の第4列に進む。

ここが最も重要なのだ。

恨みにしても、恐れにしても、性についての問題にしても、根っこは同じであり、すべて「利己的」「不正直」「身勝手、恐れ」「配慮、関心の欠如」にいきつく。

今までの1~2列までは、すでに終わった過去のことであり、変えることができない。
3列目の、本能の部分についても、自分ではコントロールできない。

しかし、最後の第4列については、これから努力次第で変えていくことができる。
(4つの欠点については、図2を参照のこと)

図2

紙に書き出し終えたら、それを信頼できる人と検証する

第4列の欠点については、自分だけで書き出して検証しても「どう改善すればいいのか?」「どういうパターンがあるのか?」分からない部分も多いだろう。

自分自身の欠点というのは、自分では分からないものである。

自分では「良い部分」だと思っている部分でも、他人からしてみれば明らかな欠点ということもあるし、その逆もあり得る。

だから、この棚卸表を客観的に分析し、意見を貰うためには第三者の視点が必要なのだ。

棚卸し表が完成したら、さっそくスポンサーか、信頼できる人(カウンセラーや聖職者、アディクションに理解のある人)にステップ5を手伝って貰おう。

そうすれば、あなたの行動パターン・思考パターンのどの部分が嗜癖や生きづらさに関係していたか判明するはずである。

ステップ5へ続く

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