12ステップ系の自助グループでいう「スポンサーシップ」とは何か?

「各グループの本来の目的はただ一つ、いま苦しんでいるアルコホーリクにメッセージを運ぶことである」

アルコホーリクス・アノニマス 伝統5より

12ステップ系の自助グループに繋がると、スポンサーシップをとるように勧められることがある。

「スポンサーシップ」などと言われても大半の人はなんのことか分からないだろうから説明すると、要するに、

「自助グループ内で自分の回復を手助けしてくれたり、相談できるコーチを選び、12ステッププログラムを教えて貰いながら一緒にやっていく」

という事を「スポンサーシップ」と呼んでいると理解して貰えればいい。

依存症から回復して間もない頃は、激しい離脱症状や、使いたい・飲みたいという渇望を我慢するためその日一日「使わない・飲まない」ことだけで精一杯である、という仲間が多い。

新しくミーティングに繋がった仲間は、どうやって依存症から回復していいのかの方法論も持ち合わせてないし、自助グループや12ステッププログラムについての知識もない状態だ。

依存症者は「人に相談する」ということが苦手な人が多く、なんとか自分の力で問題を解決しようと頑張ってしまう人が多い。

「寂しい」からこそ人は依存症になる

2018.03.21

人を信じられないからこそ依存症になるという病理

2016.08.26

しかし、依存症は自分一人の力で解決できるほど甘い病気ではない。
(というか、自分一人の力で解決できたら、それは対象物がコントロール可能だということだから、そもそも依存症ではないともいえる)。

依存症の難しいところは、この病気自体が世間から偏見をもたれていて、正しい知識を持ち合わせてない相手に相談したりすると、余計に傷ついたり、間違ったやり方(気合いや根性などの精神論)をアドバイスされて余計に病状が悪化してしまうということが往々にしてあるという事だ。

だから、依存症についての知識を持っていて、回復できるように助言をしてくれ、相談相手になってくれる人が必要になる。

「とりあえず困ったときはこの人に相談する」というような人を一人持っておけば、回復において心強いツールとなってくれるだろう。

スポンサー選びの基準

多くの場合、スポンサーは断酒・断薬をして回復し、経験豊富なメンバーから選ばれることが多い。

以下は、「依存症からの回復研究会」が発行している書籍、「ビッグブックのスポンサーシップ」が提唱しているガイドラインである。

スポンサーを探している人は、自分が見つけた候補者にステップに取り組んでいるかどうかを尋ねてみるといい。

ルールがあるわけではないが、以下のものはガイドラインとして使えるだろう。

・自分と同世代でなくてもかまわない。

・自分と同じような職業の人を選ぶ必要はない。私は、トラックの運転手をスポンサーにしている牧師を複数知っている。一様に、うまくいっていると聞いている。

・スポンサー候補者のソブラエティ(しらふの期間)の長さにこだわらないほうがよい。スポンサーはソブラエティの長い人でなければならないと考えている人の中には、単に自分のエゴをふくらませようとしているだけの人がいる。スポンサーを選ぶ際には、ソブラエティの長さよりソブラエティの質を考えるべきである。

新しい人は心を開けばよい。
ミーティングでの話から、ある人がステップに取り組んでいると確信できたら、その人はたぶん、あなたのスポンサーとしてふさわしいだろう。

引用元:ビッグブックのスポンサーシップ

「ビッグブックのスポンサーシップ」(通称 緑本)は、とても丁寧にスポンサーシップについて解説している、日本では数少ない本なので、興味のある人は手に取ってみるといいだろう。

【依存症からの回復研究会】12ステッププログラムの勉強会に参加してきたよ

2018.04.28

しかし、日本では自助グループの数自体が少なく、メンバー自体も少ないため、スポンサー選びには苦労するという現実がある。

近所のグループにスポンサー候補の人がいない場合は、他県のミーティングまで足を伸ばし、スポンサーを探してみるのも手だ。

最近は、いろんな県でステップセミナーやら合同ミーティングをやっている。
そうしたイベントの時には、各県から様々なメンバーが集まるので、いろんな人の話を聞いて吟味してみてもいい。

いつ、どこでイベントをやっているのかは、それぞれのグループのWebサイトに書かれていることが多い。

また、現代は通信技術が発達したため、場所を隔てた人とでもLINEやSkypeなどでスポンサーシップを結べるのが利点である。

当ブログでも、向精神薬・処方薬依存症限定のSkypeミーティングを主催している。

また、アダルトチルドレンが集まるACAのミーティング、感情と情緒の問題がある人たちが集まるEAのスカイプミーティングなど、最近はネット上でも自助グループ活動が広がっているため、自分の問題に当てはまると思った人は参加してみるといいだろう。

スポンサーシップをとってステップワークをやっていく

スポンサーシップは上下関係のようなものではなく、12ステッププログラムを手渡す側(スポンサー)と、手渡される側(スポンシー)という関係であり、あくまで関係は対等である。

「12ステッププログラムは料理のレシピのようなもの」だと以前の記事にも書いたが、1から12までのステップを、とばさずに順番にちゃんとやっていけば、誰でも同じ効果が出るように作られている。

初心者のための12ステップ講座:はじめに

2017.12.13

12ステッププログラムを実践していくことを「ステップワーク」という。

特にステップ4の自分のこれまでの人生を書き出していく「棚卸しの作業」と、ステップ5の「誰かに自分の過去を話す作業」があるのだが、これらはスポンサーと一緒にやった方がいい。

12ステッププログラムは、自分一人でできない事もないが、このプログラムは「自分自身の人格や生き方を点検し、欠点を直していくプログラム」なので、自分一人でやってしまうと、評価が甘くなったり、欠点を見落としたりしたりするリスクがある。

客観的に「自分」というものを知るには、第三者の視点があったほうがより正確に、効率的に作業は進むというものだ。
アルコールにしろ、薬物にしろ、ギャンブルにしろ、共依存やアダルトチルドレンの問題にしろ……嗜癖(アディクション)は一人で立ち向かうには、手に余る病気である。

嗜癖(アディクション):わかりやすい言葉で表すと”のめりこむ””はまる”ということ。もともとは習慣的であった行動が、自分の意志でコントロールできなくなる、ブレーキが利かなくなるという状態。やめたくてもやめられない「有害な習慣」のこと。

回復のために活用できる道具は多いほうがいい。

ミーティングもスポンサーシップも回復のための道具である。うまく活用して回復していきたいものである。

ブログランキングに参加してます。よろしければ応援クリックお願いします
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です