依存症の離脱症状を和らげる「アミノ酸療法」を10ヶ月間試してみた

以前、依存症における離脱症状(※)を和らげる方法がたくさん載っている、「クリーンにしらふで生きるために(マーリン・ミラー、デービット・ミラー著)」という電子書籍をブログで紹介させてもらったが、この本の中で「アミノ酸療法」といわれるものが取りあげられている。

依存症の離脱症状を軽減する方法が満載!「クリーンにしらふで生きるために」

2018.01.27

(※)離脱症状:退薬症状、禁断症状とも呼ばれる。 依存性のある薬物を止めようとするとき、脳内物質のバランスが崩れ、不快な身体的・精神的症状に襲われる状態のこと。物質依存のみならず、行為依存(ギャンブル、スマホやパソコン、セックス)などでも同じような現象が起こるとされている。

この電子書籍の中では、薬物依存症、アルコール依存症の離脱症状を和らげる方法をいくつか紹介しているが、著者はその中でも「アミノ酸療法」を特に推している。

海外の方では「経静脈アミノ酸療法」と呼ばれる治療法がかなりの効果をあげているそうだ。
点滴によるアミノ酸の補給には劣るものの、経口でのサプリメントの摂取でも効果があるらしい。

私はベンゾジアゼピン依存症(抗不安薬・睡眠薬依存症)から脱して、現在の時点で4年10ヶ月になるが、未だに後遺症(離脱症状)に苦しめられている。
具体的には不定期に襲ってくる鬱、不安、認知力や理解力の低下、空虚感、ひどい倦怠感、筋緊張などである。
離脱症状を和らげるために色々な方法を試してきたし、色んな文献を読みあさった。

ベンゾジアゼピン系薬物(抗不安薬・睡眠薬)の離脱症状と渇望期について

2017.03.16

そしてこの電子書籍に出会い、10ヶ月ほど前から色々なサプリメント試して、実際に自分の体で人体実験をしてみた。
離脱症状の苦痛が少しでもマシになれば……という思いからだった。

さて、アミノ酸のサプリメントを飲んで実際に離脱症状は和らいだのかどうか?

今日はその事をレポートしていきたいと思う。

アミノ酸療法とは何か?

ちょっと専門的な話になるが、人体においてアミノ酸がどういった働きをしているのか、説明していきたいと思う。
読むのが面倒くさい人は飛ばしてもかまわないです( ̄∇ ̄;)

脳内の神経伝達物質はタンパク質の成分であるアミノ酸から作られている。
このうち、何種類かの重要なものは依存症に深く関係し、強い影響を受けている。

依存症の離脱症状は、渇望、不安、神経過敏、抑うつなど、とても不快な症状が出てくるが、それは脳内神経伝達物質のバランスが崩れているからである。

薬物やアルコールへの渇望と離脱症状は、神経伝達物質とそれらを制御する酵素が関与する脳の「報酬系(気持ちよさを感じる神経)」の誤作動によるものだ。

1950年代、アルコール依存症に対する栄養療法ではロジャー・ウィリアムズ博士がパイオニアだった。
彼は研究の結果、毎日3000~4000mg(大匙一杯)のグルタミンはアルコールへの渇望を抑え、お菓子(糖分)への渇望を減少させることを発見した。

研究により「アミノ酸療法」は、ストレスを軽減し、うつ病を軽減し、グルコース及び神経伝達物質受容体の感度を増加させ、セロトニン、ドーパミン、エンケファリン、タウリン、GABA量を回復する効果があると実証されている。

また、以下のような研究結果も記述されている。

アルコール依存症へのアミノ酸の研究では、ストレス、薬物渇望、うつ病、神経過敏、被害妄想、怒り、不安の低下が報告されました。

また、エネルギーに満ちた感じ、自信、幸福感が報告されています。この療法では28日間の治療プログラム達成率が6倍になり、再発率も低下しました。

覚せい剤乱用者へのアミノ酸の研究では、アミノ酸補充群では対照群よりも薬物飢餓/渇望スコアが50%低下しました。

治療脱落率は、対照群の37%に比べてアミノ酸補充群では4・6%。再発率は対照群87%に対してアミノ酸補充群20%でした。

(『クリーンにしらふで生きるために: 脳内神経生理学に基づく依存脳回復のための自然療法』

この記述が本当ならば、たいしたものである。

依存症は、回復が非常に難しい病気である。

薬物やアルコールをやめたあと、その物質が欲しくて欲しくてたまらなくなる「渇望現象」も苦しいが、それよりも苦しいのが「離脱症状」である。

断酒、断薬しても、その後の何年にも渡ってひどい苦痛を味わいながら生活しなければならない人はたくさんいる。
私も、一切の抗不安薬・睡眠薬・抗うつ剤を断薬して2週間はあまりの苦しさでのたうちまわったし、その後1年間は頭がまともに働かなかった。

あまりに苦痛がひどいので、治療プログラムに取り組もうと思っても脱落してしまう人が多いのもよく分かる話だ。

それは外側からはほとんど分からないので見過ごされてきたが、離脱症状を化学的に和らげることができれば、依存症からの回復率は大きく上昇するに違いない、

この本の著者はアメリカ人だが、かなり依存症、その中でも離脱症状に対する知識があり、「アミノ酸療法」なるものも信憑性がありそうだったので、実際に私自身の身体で人体実験をしてみるつもりになった。

うまくいけば儲けもの。失敗してダメもと、というような感じだった。

筆者が実際に摂取したアミノ酸

Lチロシン
関係する神経伝達物質:ドーパミン、ノルアドレナリン

Lチロシンは、注意力を高めエネルギッシュであるために必要なアミノ酸だ。神経伝達物質のドーパミンとノルアドレナリンに関与しているが、これらが足りなくなると空虚感や疲労、うつ、意欲の欠如を引き起こす。

私が飲んだ中で、ナウフーズの「L-チロシン 500mg 120カプセル ナウフーズ (海外直送品)」が最も効いた。
120カプセルも入っていて、価格もリーズナブルなのでオススメだ。
現在は毎日1gほどを飲んでいる。あまり飲み過ぎると、今度は焦燥感が高まったりイライラしてくるので、最初は量を加減しながら使った方がいいと思う。
集中力が続かない時は、チロシンと補酵素であるビタミンB6を試してみるといいだろう。

・Lグルタミン
関係する神経伝達物質:GABA

Lグルタミンは渇望を抑えるアミノ酸だ。
脳内のGABA量を増やし、間接的にエンケファリン量も増やして、アルコールや薬物に対する渇望を減らし、満足感を与える。

生きている動物のタンパク質にはグルタミンが多く含まれているが、食べ物の中にはあまりない。天然のLグルタミンの95%以上は加熱によって不活性化される。

私も1ヶ月前からナウフーズの「 Lグルタミンの二重強さ 1000 mg 120カプセル」飲んでいるが、そこまで変わったという感覚はない。
しかし、ネットを通じて知り合った依存症の仲間が「効果があった」とも言っていたので、個人差があるのかもしれない。
ともあれ、まだ始めて一ヶ月だから、様子を見ていこうと思う。

・GABA
関係する神経伝達物質:GABA

GABAはアミノ酸そのままの形で神経伝達物質として働く。GABAは心を落ち着かせるアミノ酸だ。不安を軽減し、精神的、肉体的に安定させる。

アルコール依存、ベンゾジアゼピン系薬物依存症では多くの場合、GABAが不足している状態だ。これが足りないと、不安や緊張、不眠が引き起こされる。

私の場合、長年のベンゾジアゼピン依存症で壊滅的に脳内のGABAが死んでいると思っていたので、GABAのサプリメントも摂ってみた。

購入したのはマルマンの「GABA (ギャバ)100 75粒」というやつ。国産のサプリメントなのでやや値は張るが、GABAの体内合成に必要なビタミンB6も最初から配合されているし、海外のものと比べて品質はいいと感じる。

4~5ヶ月は摂っていたと思うが、頭がスッキリしたような感覚があった。不眠についてもかなり改善されたように感じたので、不眠対策として飲んでみるのもいいかもしれない。

・トリプトファン
関係する神経伝達物質:セロトニン

トリプトファンは神経伝達物質のセロトニンの原料となるアミノ酸だ。セロトニンが足りなくなると、うつ病、こだわり、強迫症、心配、自尊心低下、などを引き起こす。痛みへの感受性が高くなるのも特徴だ。

自分ではセロトニンも足りてないと感じていたので飲んでみたのだが、ボーッとしてしまって正直微妙な感じだった( ̄∇ ̄;)
私はパキシルやジェイゾロフトに代表されるようなSSRIが合わなかったので、セロトニンに作用する物質自体が合わないのかもしれない。

しかし、不眠にはてきめんに効いたので、それを目的に飲むのはアリかもしれない。

アミノ酸の摂り方

多くのアミノ酸の最小有効用量は、1日あたり100mgであり、効果を確認しながら1日あたり3000mgまで増量が可能だ(例外として5HTPは1日量50mg〜300mg、Lグルタミンは1日量250mg〜12000mg)
通常1日量500〜1500mgを2回ないし3回に分けて摂取する。分子量の大きいアミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、5HTP)は脳への分布競合があるので、空腹時に水で摂取するのが効果的だ。

ミネラルやビタミンも併せて摂ることが大事

アミノ酸を摂るときは、マルチビタミン・ミネラル製品との併用をお勧めする。

ビタミン・ミネラルはそれ自体も大切だが、脳内でのアミノ酸から神経伝達物質への代謝において非常に重要だ。

脳内神経伝達物質を作るには、アミノ酸それ自体ではほぼ何もできない。

それ自体が神経伝達物質である遊離アミノ酸(タウリンやグリシン)を除き、他のほとんどのアミノ酸はビタミンやミネラル(補因子)の助けが必要なのだ。例えばビタミンB6は、ドーパミン・セロトニンの合成に必要ですし、ビタミンCはドーパミンをノルアドレナリンに変換するのに必要だ。

私の場合は、ドラッグストアでよく売っているDHCの「マルチビタミン (60日分) 60粒」と、大塚製薬の「ネイチャーメイド マルチミネラル 50粒」を愛飲している。

どのビタミンとミネラルが自分に足りてないかなんて、普通は分からない。これらのサプリメントは一粒でまんべんなく摂れるようにできているので、とても便利だ。

まとめ アミノ酸は特効薬ではないが補助としては使える

経口でのアミノ酸療法を試してみた正直な感想は、チロシンを除いて「言われてみれば効いているかな?」というような感覚だったということだ。
ちょっとだけやる気が出たり、寝付きが良くなったり、頭がスッキリしているような気がしたり……。

まあ、そんな程度の効果でいいのかもしれない。
逆に、「うわー、このアミノ酸効くわー!」というような感じだったら、今度はサプリメント依存症になりそうだし、手放せなくなりそうだ( ̄∇ ̄;)

依存症者(アディクト)は、「物質で気分を変える」という行動パターンに慣れきっているため、「気分を変えてくれる物質を摂る」というパターンからはできるだけ遠ざかった方がいいと思う。

個人的には、アミノ酸やビタミン剤はあくまで補助で、基本ベースはジョギングなどの有酸素運動マインドフルネス瞑想、自助グループ、認知行動療法で行動・思考パターンを修正していく、というやり方をオススメする。

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2018.03.18

電子書籍「クリーンにしらふで生きるために」にも、「アミノ酸療法は万能薬ではありません」と書いてある。

しかし、離脱症状は純粋に栄養素が足りていないから引き起こされてる場合も十分考えられるので、あまりに苦痛がひどい場合には試してみてもいいかもしれない。

化学的なアプローチで苦痛が和らぐらならば、それに越したことはないからだ。

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