アダルトチルドレン~生きづらさを抱えたまま大人になった人たち~

このブログは、アダルトチルドレンが抱える生きづらさについての記事が多いし、筆者もACであることを自覚しているが、「じゃあACとは何か?」、と問われた時に、基本的な情報を記事にしたものがなかったと思い当たった。
ということで、今回はアダルトチルドレンについて書いていこうと思う。

1.心を傷つけられた子供たち

アダルトチルドレンとは、もともとは、
「親がアルコール依存症などの嗜癖(アディクション)の影響下にあり、成長の過程での境遇(虐待、愛情不足、親の不在など)が影響して、考え方や感じ方に偏りが生じ、大人になっても生きづらさを抱えている人々」
のことを指していた(1970年代)。

その後、アメリカのソーシャルワーカー、クラウディア・ブラックにより、「幼少期の環境や境遇が原因で、大人になっても生きづらさを抱えている人々は認知や考え方、感情の出方にある特徴がある」として、そのような人々をアダルトチルドレンと呼ぶようになった。

ひとつ注意しておきたいのは、虐待や機能不全の家庭で育ったからといって必ず全ての人がアダルトチルドレンになるとは限らないし、その逆もあって、幼少期に虐待などがなくてもアダルトチルドレンになる人もいる。

アダルトチルドレンとは、病名ではなく、あくまで特徴である。
学校でのいじめなどの外的要素が関係してくる事もあるし、要因は様々だが、筆者は、
「幼少期に自分を守るために身につけた思考パターンや行動パターンの偏りのせいで、成人してからも生きづらさを感じていたり、社会に適応できなかったりする」
人たちのことだと解釈している。

2.アダルトチルドレンの13の特徴

以下は、アダルトチルドレンの特徴を表したものとして、自助グループなどで使われるものである。
生きづらさを抱えている、いつも空虚感や孤独感を感じている、やめようと思っているのにやめられない嗜癖(アディクション)がある、という人は、以下の13の特徴が自分に当てはまっていないかどうかチェックしてみるのもいいかもしれない。

機能不全のある家庭で育ったことにより、私たち(アダルトチルドレン)が共通して持っていると思われる特徴。

1.わたしたちは孤立し、人や権威を恐れるようになっていた。

2.わたしたちは承認を追い求めるようになり、そうしているうちに自分が何であるか分からなくなっていた。

3.わたしたちは人が怒っていたり、何であれ個人的な批判を耳にしたりすると怯えてしまう。

4.わたしたちはアルコホーリクになったり、アルコホーリクと結婚したり(両方の場合もある)、あるいはワーカホリックなどの他の強迫的な問題を持つ人を見つけたりして、病んだ「見捨てられ欲求」をみたそうとする。

5.わたしたちは人生を犠牲者の視点から生きていて、そういう弱さによって恋愛関係や友情関係で人にひきつけられる。

6.わたしたちは行きすぎた責任感を持っていて、自分のことに気をつかうより他人の心配をする方が簡単にできる。そうすることで例えば、自分の欠点をよく見ないですむ。

7.わたしたちは人のいいなりにならずに自分の意見を述べると罪悪感を感じる。

8.わたしたちは刺激に嗜癖するようになっていた。

9.わたしたちは愛を哀れみと取り違え、自分が “哀れみ” “救える” 人を “愛する” 傾向がある。

10.わたしたちは悪夢のようだった子ども時代から感情を抑え込んできて、そうするとひどく傷つくので、自分の感情を感じることや表現することが出来なくなっていた(否認)。

11.わたしたちは自分のことを厳しく裁き、自己評価が非常に低い。

12.わたしたちはとても依存的になっていて、見捨てられることを怖れ、見捨てられる痛みの感情を経験しないですむように、人との関係が切れないようにするためになら、どんなことでもしようとするほどだ。その痛みの感情は、わたしたちにとって情緒的に不在だった病んだ人たちと、一緒に生きてきたことから受け取ったものだった。

13.わたしたちは、自ら行動する人ではなく反応する人である。

これは特徴を述べたものであって、非難ではない。

――ACA(アダルト・チルドレン・アノニマス) ハンドブックより引用

いかがだろうか?
「自分は虐待を受けた記憶もないし、アダルトチルドレンじゃないかもしれないな…」と思っている人でも、上に挙げた特徴が自分に当てはまっているという自覚さえあれば、その人はもうアダルトチルドレンであるし、回復を目指す事も可能である。

大事なのは「問題を自覚する」ということである。
ただ、ひとつ注意しておきたいのは、アダルトチルドレンという概念は「親や周囲を恨んでいい免罪符」ではないし、「可哀想な自分を演じ続けていい理由」でもない、ということだ。

自分の生きづらさの原因は何なのか?この歪んだ行動パターン・思考パターンのルーツはどこからきているのか?それらの欠点を取り除く事=回復は可能なのか?、そういった事を考察し、分析し、実際に行動を変えていくための「道具」に過ぎない。

3.アダルトチルドレンと嗜癖(アディクション)

アダルトチルドレンは、様々な依存症や摂食障害、共依存関係と共に語られる事が多い。
幼少期に身につけてしまった偏った行動パターン・思考パターンは、恐れや怒り、恨みなどの陰性感情と深く関わっていて、アダルトチルドレンは慢性的に空虚感や孤立感、抑うつといった「心の痛み」に耐え続けている事も少なくない。

そうした苦しみは、他人からは見えにくいし、理解もされにくいので、本人はますます周囲からひきこもり孤立していく。そこで、その苦しみを少しでも和らげるため、今とりえあえず死なないために、お酒や薬、ギャンブルやスマホなどの嗜癖を使ったり、体重をコントロールする事に必死になったり、他人の世話焼きばかりにかまけたりする。

これらの行為は、短期的ならば今感じている痛みを麻痺させ、なんとか生きていくだけの活力を与えてくれもするが、長期的に見れば、心身をボロボロに蝕み、家族や周囲との関係は悪くなっていくものばかりである。

これらの病理に共通しているのは、自己中心性、否認、他者や状況をコントロールする、不正直、完璧主義、など多くの特徴があるが、筆者の経験から言わせてもらえば、最大の特徴は「他人とも、自分自身とも親密になれない病」であると思う。

アダルトチルドレンを含む嗜癖者は、過去や目の前の現実が辛すぎる余り、自分が今何を感じているのか、何が心地よくて何が嫌なのか、自分でも分かっていない場合が多い。漠然とした不快感やイライラ感はいつも感じているのだが、それが何なのか自分でも分かっていないため、他人とも親密になる事が出来ない。
なぜなら、他人と親密になるには、まず自分自身と親密である事が絶対的な条件だからだ。

http://exodus21.xyz/2016/12/21/%e8%87%aa%e5%88%86%e3%81%ae%e6%84%9f%e6%83%85%e3%82%92%e6%8a%91%e3%81%88%e3%81%99%e3%81%8e%e3%82%8b%e3%81%a8%e8%aa%b0%e3%81%a8%e3%82%82%e8%a6%aa%e5%af%86%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84/

http://exodus21.xyz/2016/08/26/%e4%ba%ba%e3%82%92%e4%bf%a1%e3%81%98%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%93%e3%81%9d%e4%be%9d%e5%ad%98%e7%97%87%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e7%97%85/

4.どうすれば回復できるのか?

アダルトチルドレンから回復するには、筆者の経験から言わせてもらうと、

・自分が幼少期に身につけてしまった偏った行動パターン・思考パターンを自覚する。

・それをリストにして、第三者に話す。

・自分の偏った行動パターン・思考パターンの正体が分かったら、その癖を直すために新しい行動パターンを根付かせる努力を日常の中でする。

・数ヶ月もすれば、昔の思考・行動パターンは徐々に新しいものに置き換わっていく。

といった方法が個人的に効果があった。

ただし、この方法には少なくとも年単位の時間がかかる。
アダルトチルドレンから回復する、ということは、つまり生き方を変える、ということである。生き方を変えるということは、日々の習慣を変えていくという事である。

http://exodus21.xyz/2016/10/14/%e3%80%8c%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%81%ab%e5%bc%b7%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%82%8b%e7%94%9f%e6%b4%bb%e7%bf%92%e6%85%a3%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%80%8c%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%81%ab/

http://exodus21.xyz/2016/11/24/%e3%80%8c%e3%82%84%e3%82%81%e3%81%9f%e3%81%8f%e3%81%a6%e3%82%82%e3%82%84%e3%82%81%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e6%9c%89%e5%ae%b3%e3%81%aa%e7%94%9f%e3%81%8d%e7%99%96%e3%80%8d%e3%82%92%e6%89%8b/

古い悪習慣をやめる事をテーマにした「新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣」(古川 武士 著)によると、害になる思考習慣を新しい習慣に置き換えるには、通常6ヶ月かかるという記述がある。
筆者が回復の過程の中で実感したことは、ひとつの性格上の欠点(アダルトチルドレンの特徴)を修正するのに、だいたい6ヶ月かかるというのは妥当な線だと思う。

アダルトチルドレンから回復するには、長い年月がかかる。
アダルトチルドレンの自助グループであるACA(アダルト・チルドレン・アノニマス)では、 自分と同じ悩みを持った仲間が集まっているので、お互いに励まし合いながら回復を目指す事ができる。

12ステッププログラムは、霊性(スピリチュアリティ)や神という概念を使っているので、そこに宗教臭さを感じて敬遠してしまう人が多いのは残念な事であると思う。
筆者が実践してみた限り、12ステッププログラムは「習慣を変えるためのプログラム」として、非常に完成されていると思う。あくまでプログラムは道具である。自分がラクになっていくためには、どんなものでもどんどん使っていくスタンスの方が回復が早いんじゃないかな、と感じている。

他にも認知行動療法、マインドフルネス瞑想など、自分の偏った思考・行動パターンに気付く事に焦点を当てており、なおかつ行動を実際に変えていく方法は、個人的に大いに効果があった。

http://exodus21.xyz/2016/08/02/%e7%94%9f%e3%81%8d%e3%81%a5%e3%82%89%e3%81%95%e3%81%ab%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%95%e3%83%ab%e3%83%8d%e3%82%b9%e7%9e%91%e6%83%b3%e3%81%af%e5%8a%b9%e3%81%8f%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/

アダルトチルドレンの問題に悩まされている人は、今の日本には潜在的にすごく多いのではないかと思う。
そこから回復するのに「こうじゃなきゃいけない!」という方法はないと思うし、私自身も押しつけるつもりもない。ただ、自分にはうまくいった方法を紹介して分かち合えればいい、というスタンスだ。

ただ、ひとつだけ言えるのは、「この方法をやれば、数日~数週間でアダルトチルドレンの問題が治る!」みたいな事はないと私は思っている。
何年も掛けて積み上げてきた偏った思考・行動パターンを改善するには、どうしても長い時間がかかる。急激な変化は、必ず大きな反動を生む。

それに、そのような「すぐ効果が出る」「すぐ望み通りの結果が出る」というような考え方自体が、アダルトチルドレン的、嗜癖的な病んだ考え方だと筆者は考えている。

自助グループには「気楽に、焦らずゆっくりやろう」というスローガンがあるが、回復においても、そういったゆとりのある精神を大事にしていきたいものである。

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