依存症の離脱症状を軽減する方法が満載!「クリーンにしらふで生きるために」

精神科で処方される抗不安薬・睡眠薬(ベンゾジアゼピン系薬物)の離脱症状は強烈だ。
ネット上には、何年もベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬をやめられない人がたくさんいるが、皆、口を揃えて離脱症状の辛さを訴えている。

かくいう私も、断薬から4年9ヶ月経った今でも、抗不安薬・睡眠薬の離脱症状に悩まされている。
鬱や不安、緊張といった精神症状はまだ我慢できる。
それらは自助グループに根気よく通い続けることや、認知行動療法、マインドフルネス瞑想などによって、かなりの程度は改善したし、もし襲ってきても受け流すスキルを訓練したおかげで、以前よりだいぶ囚われなくなった。

が、肉体的な離脱症状はどうしようもない。
未だにしょっちゅう重度の自律神経失調症に似た症状に悩まされており、動悸、息切れ、手の震え、激しい倦怠感が不定期に襲ってくる。

さらに不快なのが筋緊張で、ひどい首と背中のこりが四六時中続き、「なんとかしてくれ!」と叫び出したいような衝動に駆られる。

デパスやロヒプノール、レキソタンやアモバンなどを数年間、大量に飲んでいたため、脳内の緊張や弛緩を司る機能がメチャメチャになっているのだろう。

慢性的なこりや痛みはかなりのストレスで、私のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を著しく低下させている。
しかも、「いつこれらの症状が襲ってくるのか」「いつ症状が消失するのか」が全く読めないので、気軽に予定を立てることすらできない。昨日は絶好調だったのに、今日は絶不調だということが日常茶飯事である(一応、大局的に見れば2ヶ月周期で浮き沈みはあるみたいだが…) 。

ベンゾジアゼピン系薬物の離脱症状の辛さは、味わった人にしか分からないと思うが、筆舌に尽くしがたいほど不快なものである。
未だに私は離脱症状のせいで仕事をするのにもかなりの支障が出てるし、私生活においても無理をしないように常に気を遣っていかないと、すぐにオーバーロードしてしまう。

今のところ、肉体的な苦痛を軽減するアプローチに関しては、鍼、マッサージ、ジョギング、ストレッチ、アロマ、睡眠、マインドフルネスなどで対処している。
しかし、確かに幾分かは苦痛が和らぐのだが、根本的な解決には至っていない。

相変わらず不定期にものすごく調子が悪くなるし(※ドライ・リラプス)、そういう時期に突入すると嵐が通り過ぎるのをじっと待つしかない。
それぐらい肉体的な苦痛が大きいのだ。

※ドライ・リラプス:薬を飲んでいないのに、飲んでいた時と同じような症状が出現すること。鬱や不安、過敏症、筋緊張など、人によって症状は違う。詳しくはベンゾジアゼピン離脱症候群を参照のこと。

ドライ・リラプスや薬物渇望期については、過去記事に詳しく書いてるので、興味のある人は読んでみてほしい。

ベンゾジアゼピン系薬物(抗不安薬・睡眠薬)の離脱症状と渇望期について

2017.03.16

離脱症状の苦痛に耐えながらプログラムをやり遂げられるか?

だから、この4年9ヶ月の間、いつも「何かいい方法はないか?」と探してきたのだが、しばらく前にAmazon Kindeストアで「クリーンでしらふに生きるために(マーリン・ミラー、デービット・ミラー著)」という依存症関連の電子書籍を見つけた。

この本では、依存症の中でも特に「離脱症状の苦痛と緩和」に焦点を当てており、確かに12ステッププログラムや認知行動療法といった、思考パターンや生き方にアプローチする方法は依存症に対して有効ではあるが、それだけでは不十分だと説いている。

統計的にみても、従来の心理・社会的カウンセリング、近年の処方薬治療を受けたアディクション患者(※)の70~80%は1年以内にリラプス(薬物再使用)を起こしている(約50%が1ヶ月以内、65%が90日以内)。

つまり、依存症という病気は、ちゃんとした治療を受けてもほとんどがスリップしてしまうという事なのだ。

(※)アディクション=嗜癖(しへき)。ある特定の物質や行動、人間関係にのめりこみ、やめられなくなること。依存症とほとんど同じ意味で使われる専門用語。

患者の離脱症状の苦痛があまりに強い場合は、治療プログラムに取り組むことさえ困難な現実があるからだ。

筆者はこう述べている。

ひどい頭痛または偏頭痛がある時を考えてみてください。

今度はもし誰かがこのひどい頭痛の時に、一枚の紙にあなたの欠点を書いてくださいと頼んだら、その時のあなたの反応を考えてみてください。
その痛みに耐えてどれだけのことができるでしょうか?

もしあなたがそれをすることができたとして、その後にもう一枚紙を与えられて、今までの人生で迷惑をかけた全ての人々のリストを作り、それらの人々に対してどう償いをするかを書いてくださいと要求されます。

あなたは恐らく体質的にそれを行うことができないと思います。一部の薬物治療プログラムにおいて、これがそのまま要求されることです。一部の真正直でいることが体質的に不可能な人々にとってそれは断薬の苦悶です。

(『クリーンにしらふで生きるために: 脳内神経生理学に基づく依存脳回復のための自然療法』)

上記の例えは、依存症の自助グループで使われている回復プログラム、「12ステッププログラム」を皮肉ったものだが、ある意味的を射ている。

12ステッププログラムでは、自分が依存症だった頃に犯した過ちを振り返って迷惑をかけた相手に対して償いをしたり、自分自身の欠点を点検する作業があるが、離脱症状の苦痛でまともに働いてない頭で、そこまでのことができる依存症者が一体どのくらいいるだろうか?

アルコール依存症の自助グループの基本テキストである「アルコホーリクス・アノニマス」(通称ビッグブック)の中では「やる気をもってプログラムに取り組めば誰でも回復できる」「徹底的に正直になってプログラムに取り組めば回復できる」と書いてある。

確かにその記述に偽りはないし、実際に12ステッププログラムは依存症に対して効果があるのだが、ビックブックの中では離脱症状の苦痛にどう対処しながらプログラムをやり遂げればいいのか?、という事についてはほとんど言及されていないのだ(アルコールには長期的な離脱症状が残りにくい、という理由もあるのかもしれない)。

このアディクションの活動を防ぐ心理学的、社会的および精神的アプローチは、それを受ける人々の20%以下にしか効きません。
そしてその20%の人々がこの回復へのアプローチ法を広める役割を担います。

そして「回復を望みプログラムを行う人なら誰にでも効果的である」という信念がアディクション治療の土台になっています。これを土台にした治療プログラムが多数存在します。

不足している点は、回復をしないで自分たちが悪いと責められている80%の人々に対する治療法がないことです。これらの解放者たちはその20%の人たちの失敗の原因は自分たちにあり、治療法のせいではないということを信じています。私たちはこの大多数の言葉を発しない人々のために訴えているのです。

(『クリーンにしらふで生きるために: 脳内神経生理学に基づく依存脳回復のための自然療法』

著者は、依存症治療には心理学的、社会的および精神的アプローチ(12ステッププログラムや認知行動療法など)以外にも、生化学的なアプローチも必要だと説く。つまり、離脱症状を緩和し、肉体の苦痛を和らげる方向にも焦点を当てるべきだと。

いくら優れた治療プログラムがあっても、耐え難い苦痛を抱えて、ボーッとした頭で取り組んだのでは効果は半減してしまうだろう。

生まれつき依存症になりやすい人々

著者が離脱後慢性症状について調べる中で分かったのは、患者の多くは過食やアルコール・薬物を初めて手にする以前から、その症状を経験したことがあるという事だった。
依存症者達を調査した結果、その不快な症状を自分で何とかしようとしたくてアルコールや薬を使い始めたという。

つまり、離脱後慢性症状と呼ばれているものは薬物を止めたことによる症状ではなく、元々あった症状を薬物などで紛らわしていたに過ぎなかったのだ。嗜癖(アディクション)をやめたことによって、それがまた出てきただけのことだったのである。

また、依存症になりやすい人の中には、音・光・触れることの刺激に対して常人より過敏な性質を持つ人々「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」も多く含まれているという。
生まれつき感受性が非常に鋭く、ささいなことにも反応し、ストレスを感じてしまうため、育った環境によっては精神疾患を発症しやすくなったり、依存症に陥りやすくなる(管理人Gakkiはこのタイプ)。

注意欠陥多動性障害(ADHD)に苦しむ人達もアルコール・薬物依存を発症する人が多い。

研究を通じて、アディクションからの回復にある人の多くが、診断をされてはいないもののADDであることが分かっている。

最終的に、トーレット症候群、強迫性障害、うつ病、行動障害には人をアディクションに仕向ける何かしらの関連障害があると分かった。

全てこれらの状態は脳内化学物質のアンバランスと関係している。

アディクションが脳内化学物質に関係するのなら、より効果的で自然な方法をとる必要がある。
筆者はこの本の中で、栄養療法、耳介療法、鍼治療、脳波バイオフィードバック(ニューロフィードバック)を紹介している。

離脱症状緩和のための様々な治療法

この本の中で、筆者が特に推している「経静脈アミノ酸療法」は、「アディクション患者は適切なアミノ酸が足りてないために、脳内で充分な神経伝達物質が作られず離脱症状が起きているのではないか?」という考え方に基づいた療法である。

適切な配合のアミノ酸とビタミンは、アディクション患者の脳内神経バランスを改善し、渇望を抑える効果がある。

現在では米国でもアディクションに対する経静脈アミノ酸療法を提供する施設が数多くあるという。

アミノ酸療法を受けた70~75%の患者が、依存物質に対する渇望が減り、離脱症状が軽減したとのレポートもある。
(管理人も、数ヶ月前から経口のアミノ酸サプリメントを購入し、服用しているが、その効果の程のレポートはまた別の記事に書いていこうと思う)

著者は、より効果的な治療法を探している中で、神経学的な治療分野が効果を出していることも知った。

米国内の薬物裁判所は、オリキュロセラピーと耳鍼療法は単独で従来の方法よりも効果的であると認めている。

脳波バイオフィードバック法は、脳波パターンを変更する効果があると認められている。これにより患者は上手にリラックスしたり集中したりができるようになるという。

これらの治療法についても、また改めて別の記事で紹介していけたらと思う。

依存症者は、脳内の報酬系が適切に働いてない

以前、別の記事でも書いたが、依存症者(アディクト)は喜びや楽しみを感じる脳内の報酬系が生まれつきちゃんと働いてない「報酬欠陥」を抱えている人が多い。

ベンゾジアゼピン依存症と報酬系の機能不全について

2017.03.24

それは先程も紹介した、発達障害やHSPなど生まれつきの特性によるケースも多々ある。

元々、脳内の神経伝達物質が過剰だったり不足していたりしているので、そのアンバランスさゆえに普段から精神不安、空虚感、不満間、あいまいな渇望に悩まされることになる。

アディクトはそれらの不快な症状を抑えるために、アルコールや薬物、特定の人間関係にのめりこんだりして、かりそめの安定を得ようとする。

「人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション」という本の中でも、依存症患者の多くは、この報酬欠陥のせいで生まれつきあった不快な症状をなんとかしようとして、「自己治療」のためにアルコールや薬物を使っているのではないかと説明している。

おわりに

本書は、依存症から回復するには、心理的・社会的サポート(カウンセリングや自助グループ)ももちろん必要だが、神経学的・科学的なアプローチも重要だと気付かせてくれる一冊である。

支援者ももちろん、回復を目指している依存症者本人にもオススメできる。

それにしても、こんな濃い専門的な本がAmazon Kindleで手に入るとは、ちょっと驚きだ…( ̄∇ ̄;)

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2 件のコメント

  • 初めまして。
    たまたまこのブログを見つけて、上記で紹介されていた本「クリーンにしらふで生きるために」に興味を持ち読んでみました。
    実は本の中で書かれていたアミノ酸療法のごく一部が依存症に対して効いているのではと思いコメントいたしました。

    私は長年オンラインポルノ依存症にかかっており、日々のQOLはこの忌々しい依存症のせいで最悪でした。
    どうにか、この依存症に対処するためにSSRI:ゾロフトの服用とジムでのフリーウェイト主体の筋トレをストレス・コーピングとしてやっていました。しかしこの2つで依存症の苦しみが少しマシになっただけで素面なのは2~3週間が限界でした。

    ある時フリーウェイト関連の記事で「グルタミン」を飲むと風邪に良いと知って何となく摂取すると、全く予期していなかったことに依存症がマシになったのです。実際に今は一ヶ月半も素面です。Gakkiさんの日数と比べると大したことないですが、過去の自分からは信じられないような長期に及ぶ素面の期間です。しかもかなり楽な精神状態です、これはSSRIの作用もあるでしょうが・・・。

    ちなみにその際に摂取したグルタミンがコレです。空腹時に10gほど摂取しています。
    California Gold Nutrition, L-グルタミン
    https://jp.iherb.com/pr/California-Gold-Nutrition-L-Glutamine-Powder-AjiPure-Gluten-Free-16-oz-454-g/71027

    それからは何故グルタミンが依存症に対して効いてくれたのかの答えを求めていましたが遂にこちらのブログで紹介されていた本を読んで成る程と思いました。どうやらアミノ酸、特にグルタミンには依存症の渇望を抑える効果があると書かれていました。本の中にはグルタミン以外のアミノ酸も紹介されていましたが私はグルタミンしか摂取していません。あとはトレ後のプロテインぐらいです。

    Gakkiさんもアミノ酸療法をやっていらっしゃるようですが、どうでしょうか?
    もしGakkiさんにも効いたのであれば、これはもしかすると依存症治療の大きな一歩になるのではないでしょうか?

    • ミヤモトさん>

      返信遅れてすいません。
      初めまして、Gakkiです。

      グルタミンが効果があったのですね。
      実は自分も「クリーンにしらふで生きるために」でアミノ酸療法を知り、一週間ほど前からグルタミンを飲んでいるんですよ。

      チロシンと併用してるんですが、まだ効果のほどはなんともいえませんね。焦燥感が強くなったり、具合が悪くなったりしてますが、サプリのせいかどうか分かりません。
      10gも摂られてるんですね。僕は副作用が怖くて最初は1gからスタートしてます( ̄∇ ̄;)

      グルタミンは、アルコール依存症には効果があることが実証されてますが、他の依存症についてはどうなんでしょうね?
      またアミノ酸療法の結果についてもブログで書いてみたいと思います。

      有用な情報、ありがとうございました(^^)

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